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タイムマシンの原理その4

 2036年からやってきたジョン・タイターが乗ってきたタイムマシンは、カーのブラックホールを利用しているらしい。その原理について少しずつ解説していく。今回は、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールについて解説する。

ライスナー=ノルドストロームのブラックホール
 シュワルツシルトがアインシュタイン方程式の解を発表したのとほぼ同じころ、ドイツの物理学者ハインリッヒ・ライスナーとフィンランドの物理学者グンナー・ノルドストロームは、質量だけでなく電荷も持っている場合のアインシュタイン方程式を解いた。ライスナー=ノルドストロームのブラックホール・ダイアグラムは下図のようになる。これには、二つの大きな特徴がある。それは、時間的特異点とペーパードール・トポロジーである。
Penrose4

時間的特異点
 シュワルツシルトのブラックホールの中心には空間的特異点が存在したが、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールには時間的特異点が存在する。また、通常空間と特異点を隔てる一方通行の膜が二つ存在する。時間的特異点は、時間の流れに並行しており、空間的特異点と違い、時空を巧妙に航行すれば避けることができる。たとえば、Mから出発した旅行者は通路Aを通って、時間的特異点を避けて第三宇宙に到達できる。また、通路Bを通って第四宇宙に到達することもできる。
 一方通行の膜は、通過すると時間が空間に変わり、空間が時間に変わる。一方通行の膜を奇数回通過すると空間的特異点に到達し、偶数回通過すると時間的特異点に到達する。

ペーパードール・トポロジー
 シュワルツシルトのブラックホールには別の宇宙が一つあるのに対して、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールには別の宇宙が無数に現れる。折りたたんだ紙から切りぬいた紙人形のようなので、ペーパードール・トポロジーという。
 時間的特異点は、入口用と出口用の二つの一方通行の膜を持っていて、ブラックホールとホワイトホールの両方の働きをする。
 別の宇宙は、まったく別の宇宙かもしれないし、われわれの宇宙の一部かもしれない。また、元は一つの宇宙だったものが分裂して、ほとんど同じような歴史をたどっているパラレル・ワールドなのかもしれない。時間旅行者が過去に戻った時点で宇宙が分裂し、われわれの宇宙とそっくりのパラレル・ワールドが形成されるのかもしれない。もしそうだとしたら、自分が過去に戻って親を殺したとしても、そこは自分のいた世界とは別の世界なので、自分が消滅することはない。すなわち、親殺しのパラドックスは生じない。

タイムトラベルの可能性
 ライスナー=ノルドストロームのブラックホールが発生した時点で、われわれの宇宙から分裂したパラレル・ワールドが出現するとしたら、時間旅行者が別の宇宙に到達した時点では、われわれの宇宙とまったく同じような世界になっていて、その時点から少しずつ未来が変わっていくと考えられる。時間旅行者は、一方通行の膜があるので、元自分が住んでいた未来に戻ることはできない。ただし、ほとんど同じような未来の世界に戻ることはできるかもしれない。
 ライスナー=ノルドストロームのブラックホールは、強力な重力に抵抗するだけの強力な電荷が必要である。そのような強力な電荷は、そこにあるどんな物質もイオン化し、そのイオンによってブラックホールの電荷を中和するように働くので、宇宙の中にはライスナー=ノルドストロームのブラックホールは存在しないと考えられる。
 別の宇宙がわれわれの宇宙の離れた領域とすると閉じた時間の環CTLが形成され、タイムトラベルが可能であるが、そうでない場合は、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールではタイムトラベルは不可能である。

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