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タイムマシンの原理その5

 2036年からやってきたジョン・タイターが乗ってきたタイムマシンは、カーのブラックホールを利用しているらしい。その原理について少しずつ解説していく。今回は、いよいよ、カーのブラックホールについて解説する。

カーのブラックホール
 シュワルツシルトとライスナー=ノルドストロームの解が発表されてから約半世紀が過ぎた1963年に、ニュージーランド生まれの物理学者ロイ・カーが、強力な重力を持ち、高速で回転する物体のアインシュタイン方程式の解を発見した。カーのブラックホールのペンローズ・ダイアグラムを下図に示す。カーのブラックホールには、三つの特徴がある。リング状の特異点、負の時空領域、負のCTL領域である。また、ライスナー=ノルドストロームのブラックホールと同様に、時間的特異点とペーパードール・トポロジーもある。
Penrose5

リング状の特異点
 カーのブラックホールは、特異点が点ではなく、回転軸を取り巻くリング状の形をしている。このため、無限に湾曲した領域を避けて、ブラックホールの中心に到達できる。ペンローズ・ダイアグラムでは、リング状特異点をギザギザの歯ではなく、丸い歯で表現する。

負の時空領域
 ブラックホールのリングの中心を通り抜けると、そこは元の宇宙ではなく、負の時空領域となっている。そこでは、G×r(Gは宇宙の重力定数、rは中心からの距離)が負になる。中心からの距離が負になるというのは考えにくいので、重力が負になると考えられる。つまり、ブラックホールの中心に達するまでは、引っ張られる力を受けていたが、中心を通り抜けるとブラックホールから反発する力を受けるようになる。

負のCTL領域
 リング状特異点の内側には、負のCTL(Closed Time Link)領域つまり負の閉じた時間の環が生じる。リングの中心を通り抜けて、回転軸の周りを回転方向に回ると過去にさかのぼることができ、その回った回数によってどれだけ時間をさかのぼるかが決まる。そして、リングの中心を再び通って戻ると正の時空領域に戻ることはできるが、一方通行の膜があるので元の宇宙に戻ることはできず、別の宇宙へ抜ける。別の宇宙とは、われわれの宇宙の離れた領域かもしれないし、パラレルワールドになっていて、われわれの宇宙とそっくりの別の宇宙かもしれない。

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