« 足裏マッサージでやせる | トップページ | タイムマシンの原理その10 »

タイムマシンの原理その9

 2036年からやってきたジョン・タイターが乗ってきたタイムマシンは、カーのブラックホールを利用しているらしい。その原理について少しずつ解説していく。今回は、超ひも理論のブレーンワールド仮説について解説する。

超ひも理論
 物質の最小単位である素粒子を大きさ0の「点」として重力を計算すると、値が無限大になるなど矛盾が生じることがあるため、物質の最小単位を「ひも」と仮定して考え出された理論が超ひも理論である。ひもの長さは10の-33乗cm(プランク長さ)と非常に小さい。ひもの振動の違いによって、ひもが様々な種類の素粒子に見える。

自然界の四つの力
 自然界には四つの力が存在する。重力、電磁気力、強い力、弱い力の四つである。強い力とは、陽子と中性子を結びつける力で、電磁気力の100万倍ほども強いが、到達距離は10の-14乗cmと短い。弱い力とは、素粒子の崩壊を起こす力で、電磁気力よりはるかに小さく、到達距離も10の-16乗cmと短い。弱い力を分かりやすくいうと、素粒子を変化させる力である。たとえば、孤立した中性子は、約15分の寿命で、陽子と電子と反ニュートリノに変化する。これは弱い力によって起きている。
 現在、重力以外の三つの力は、理論的に統一された一つの力として説明できる。超ひも理論が完成すれば、重力も含めて、すべての力が統一的に説明できると期待されている。

10次元時空
 超ひも理論を矛盾なく構築するには、この世界が少なくとも10次元時空である必要がある。しかし、われわれが知覚できるのは、X軸,Y軸,Z軸と時間軸の4次元時空である。残りの6つの空間次元は、われわれが知覚できない「余剰次元」となっている。余剰次元のサイズは、10の-33乗cm程度にコンパクト化されていると考えられている。

ブレーンワールド仮説
 ひもには、ループ状に閉じたひもとループになっていない開いたひもがある。開いたひもの端はどうなっているのかと考えたときに、膜にくっついているのではないかという理論が出された。それがブレーンワールド仮説である。ブレーンは英語の「membrane(膜)」からきている。膜は、必ずしも2次元の平面ではなく、3次元の立体ブレーンも考えられる。
 開いたひもは、常に両端がブレーンにくっついているので、ブレーン上を滑るように移動する。ひもはすべての物質を構成する基本要素なので、すべての物質は膜に貼りついている。閉じたひもの一部は、ブレーンを飛び出して、高次元空間を伝わることができる。この閉じたひもは重力子である。
 われわれの世界がブレーンワールドに閉じ込められているとしたら、余剰次元が10の-33乗cm程度にコンパクト化されている必要はない。われわれはブレーンワールドの外の次元を知覚できないので、余剰次元はもっと大きくてもよい。
 重力子が3次元空間を伝わるとすると、重力の大きさは、距離の2乗に反比例して小さくなる。観測結果によると、実際に距離の2乗に反比例して小さくなっているので、観測できる範囲では、余剰次元の影響は現れていない。しかし、実験では0.1mm以下でも成り立つか確認されていない。したがって、余剰次元が0.1mm程度である可能性もある。余剰次元の大きさが0.1mmとすると、0.1mm以下に物体を接近させると距離の3乗に比例して重力が大きくなる。

Brane

タイムマシンの可能性
 従来の重力理論では、10の-24乗kgの質量を10の-51乗mまで圧縮しないとブラックホールにはならなかった。しかし、超ひも理論のブレーンワールド仮説が正しいとすると、物質が接近すると急激に重力が強くなるため、10の-18乗m程度でブラックホールが形成される。これは、2007年完成予定のCERNの大型加速器LHCで十分到達できるレベルである。
 人工ミニブラックホールを作ることができれば、その強力な重力場による時空のゆがみを利用して、タイムマシンを実現できる可能性がある。

次へ進む:タイムマシンの原理その10
前に戻る:タイムマシンの原理その8

|

« 足裏マッサージでやせる | トップページ | タイムマシンの原理その10 »

コメント

解りやすかったです。ありがとうございます!

投稿: サイト | 2011/04/22 12:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/35018/12313977

この記事へのトラックバック一覧です: タイムマシンの原理その9:

« 足裏マッサージでやせる | トップページ | タイムマシンの原理その10 »